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今日のお題:行列式を使った連立方程式の解法
今回は行列式を使った連立方程式の解き方について説明します。
普通に連立方程式を解いた場合
連立方程式の解き方には、片方の式を×かyについて解き、残りの式に代入する代入法か
xかyの係数をそろえて2つの式を足すか、引くかして文字を消す加減法の2つがあります。
1、代入法による解き方
$$\left\{
\begin{array}{l}
3x - 5y = 14 \\
-x + y = -4
\end{array}
\right.を普通に解いてみます。$$
3x - 5y = 14を①、-x + y = -4を②とおきます。
②を変形してy = - x - 4…③とおきます。
③を①に代入します。
3x - 5(x - 4) = 14
3x- 5x+20=14
x=3
①に代入して9-5y=14 -5y=5 y=-1
よってx=3、y=-1
2、加減法による解き方
$$今度は\left\{
\begin{array}{l}
3x - 8y = 7 \\
2x + 5y = 5
\end{array}
\right.を解いてみます。$$
3x - 8y = 7を①、2x + 5y = 5を②とおきます。
加減法の場合はxまたはyの係数をまず同じにします。
今回はxについて同じにします。
①×2で6x+16y=14…①´
②×3で6x+15y=15…②´とそれぞれおきます。
xの係数がそろったので①´-②´よりy=-1
②に代入して2x-5=5 2x=10 x=5
よってx=5、y=-1
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連立方程式を行列式で表す方法
$$連立方程式\left\{
\begin{array}{l}
3x - 5y = 14 \\
-x + y = -4
\end{array}
\right.$$
は行列を用いて、
$$\begin{pmatrix}
3& -5 \\
-1 & 1
\end{pmatrix}\begin{pmatrix}
x \\y
\end{pmatrix}=\left( \begin{array}{c} 14 \\ -4 \end{array} \right)と表せます。$$
$$すなわちA=\begin{pmatrix}
3& -5 \\
-1 & 1
\end{pmatrix}、X=\left( \begin{array}{c} x \\ y \end{array} \right)、P=\left( \begin{array}{c} 14 \\ -4 \end{array} \right)とおくと、AX=Pとなります。$$
ここで連立方程式をといてみたいのですが、その前に逆行列と単位行列の知識が必要になるのでそれらを説明します。あと今回の連立方程式とは、あまり関係がないと思いますが、零行列についても説明したいと思います。
単位行列とは?
単位行列とは、正方行列のうち、右下がりの対角線上にある数がすべて1で、残りの数がすべて0であるものをいいます。
$$2次の単位行列はE=\begin{pmatrix}
1& 0 \\
0 & 1
\end{pmatrix}と表せます。$$
$$3次の単位行列はE=\begin{eqnarray}\left( \begin{array}{ccc} 1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 &0 \\ 0 & 0 & 1 \end{array}\right)\end{eqnarray}と表せます。$$
零行列とは?
零行列とは全ての行列の数が0のものをいいます。
$$2次の零行列はO=\begin{pmatrix}
0& 0 \\
0 & 0
\end{pmatrix}と表せます。$$
$$3次の零行列はO=\begin{eqnarray}\left( \begin{array}{ccc} 0 & 0 & 0 \\ 0 & 0 &0 \\ 0 & 0 & 0 \end{array}\right)\end{eqnarray}と表せます。$$
逆行列とは?
逆行列とは正方行列Aに対して右からかけても左からかけても、解が単位行列Eとなるような行列をいい、A-1と表します。
つまり AA-1=E
A-1A=E が成り立ちます。
計算例
$$A=\begin{pmatrix}
2& 5 \\
1 & 3
\end{pmatrix}のとき$$
今回は長くなってしまったのでここまでにします。